育児・介護休業法改正2025③【書式】介護編★2025年4月施行★弁護士がわかりやすく解説。企業の対応は?

目次

【注目の厚生労働省の書式】<令和6年11月22日>

弁護士田村裕一郎です。

今回は、厚生労働省が育児介護休業法に関して公表した書式<令和6年11月22日>を前提として、記事を書きました。2025年4月施行に関する記事です。テーマは、介護です。

★結論としては、上記書式をたたき台として、企業は、自社に即したルールを作るべき、というものです。

よりわかりやすい情報を取得したい方は、本記事のみならず、YouTube動画も、ご視聴下さい。なお、本記事では、主要なもの、を記載しています。網羅的に確認したい方は、YouTube動画や、別の記事をご一読下さい。

育児・介護休業法改正2025年の【書式とQA】介護編は?

厚労省HP

➡書式は、上記HPのうち、「育児・介護休業法のあらまし、育児・介護休業等に関する規則の規定例について」に掲載があります。2025年4月施行に関する「介護」についてのものも、あります。

➡Q&Aも、上記HPに、あります。実務上の論点などが記載されています。

なお、以下は、育児・介護休業法改正2025③【書式】介護編★2025年4月施行についての記事ですが、全てを網羅していません。興味のある方は、関連記事やyoutube動画と合わせて、御一読及び御視聴下さい。

介護離職防止のための個別の周知と意向確認の措置として、事業主は、どのような内容をどう実施すればよいか。

労働者から家族の介護に直面した旨の申出があった場合に、当該労働者に対して、仕事と介護の両立支援制度等について周知するとともに、制度の取得意向を確認するための措置を実施する必要があります。
周知事項は、
① 介護休業に関する制度及び介護両立支援制度等(※)
② 介護休業に関する制度及び介護両立支援制度等の利用に係る申出の申出先
③ 介護休業給付に関すること
となります。
※ ①介護休暇、②所定外労働の制限、③時間外労働の制限、④深夜業の制限、⑤所定労働時間の短縮等

また、これらの個別の周知及び意向確認は、
① 面談
② 書面の交付(郵送によることも可能)
③ FAX の送信
④ 電子メール等の送信
のいずれかによって行う必要があります。ただし、③・④は労働者が希望した場合のみ実施可能です。また、①については、オンラインによる面談でも差し支えありません。④電子メール等の送信については、労働者が電子メール等の記録を出力することにより書面を作成できるものであることが必要です。なお、個別の周知と意向確認は、介護休業申出や介護両立支援制度等の申出が円滑に行われるようにすることが目的であり、取得の申出をしないように抑制する、申し出た場合に不利益をほのめかす、取得の前例がないことをことさらに強調するなど、取得や利用を控えさせるようなことは行ってはなりません。

介護に直面した旨の申出は口頭でもよいか?

この点については、厚労省HP、QAに記載があります。

以下抜粋(2024.11.22時点) です。

法令では、申出方法を書面等に限定していないため、事業主において特段の定めがない場合は口頭でも可能です。(※)
事業主が申出方法を指定する場合は、申出方法をあらかじめ明らかにしてください。仮に申出方法を指定する場合、その方法については、申出を行う労働者にとって過重な負担を求めることにならないよう配慮しつつ、適切に定めることが求められますので、例えば、過度に煩雑な手続を設定するなど、労働者が当該措置の適用を受けることを抑制し、ひいては法律が当該措置を講ずることを事業主に義務付けた趣旨を実質的に失わ
せるものと認められるような手続を定めることは、許容されるものではありません。また、仮に、その場合に指定された方法によらない申出があった場合でも、必要な内容が伝わるものである限り、措置を実施する必要があります。

※ 口頭による申出の場合でも措置を実施する必要がありますので、円滑な措置の実施のために、例えば、あらかじめ社内で申出先等を決めておき、その周知を行っておくことが望ましいです。

個別の周知・意向確認は、人事部から行わなければならないか。所属長や直属
の上司から行わせることとしてよいか。

この点については、厚労省HP、QAに記載があります。

以下抜粋(2024.11.22時点) です。

現行の育児休業に関する規定(A2-36 の【1】個別の周知・意向確認(R3改正)の規定)と同じく、「事業主」として行う手続きは、事業主又はその委任を受けてその権限を行使する者と労働者との間で行っていればよく、人事部でなくても、事業主から委任を受けていれば、所属長や直属の上司であっても差し支えありません。なお、所属長や直属の上司が実施することで、労働者が意向の表明をしにくい状況にならないよう、実施者となる所属長や直属の上司に対し、制度の趣旨や適切な実施方法等を十分に周知しておくことが重要です。

「介護に直面する前の早い段階での両立支援制度等に関する情報提供」について、具体的にいつ、どのような内容を、どのような方法で実施すればよいか。

この点については、厚労省HP、QAに記載があります。

以下抜粋(2024.11.22時点) です。

今回の改正により、家族の介護に直面する前の早い段階に、仕事と介護の両立支援制度等に関する情報を周知することが義務付けられました。
周知の時期は、
・ 労働者が 40 歳に達する日の属する年度の初日から末日までの期間
・ 労働者が 40 歳に達する日の翌日から起算して1年間
のいずれかとしております。
情報提供する内容は、
・ 介護休業に関する制度及び介護両立支援制度等
・ 介護休業申出及び介護両立支援制度等の利用に係る申出先
・ 介護休業給付に関すること
になります。
また、情報提供を行うに当たっては、労働者が介護保険制度の内容を同時に知ることが効果的であることから、介護保険制度についても併せて周知することが望ましいです。情報提供の方法は、
① 面談
② 書面の交付
③ FAX の送信
④ 電子メール等の送信
のいずれかによって行う必要があります。
なお、①については、オンラインによる面談でも差し支えありません。内容についての詳細は、厚生労働省のホームページに掲載されているリーフレット等をご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html

「介護に直面する前の早い段階での両立支援等に関する情報提供」について、例えば、年度当初などに対象となる労働者を一堂に集めてまとめて実施してもよいか。

この点については、厚労省HP、QAに記載があります。

以下抜粋(2024.11.22時点) です。

「介護に直面する前の早い段階での両立支援等に関する情報提供」は、介護休業や介護両立支援制度等の理解と関心を深めるために行うものであり、年度当初などに対象者を一堂に集めて行っていただいても差し支えありません。
なお、この場合でも、情報提供する内容やその方法は、A4-8 に記載された内容に従う必要があります。

介護休業や仕事と介護の両立支援制度等を取得・利用しやすい雇用環境の整備として、事業主は、具体的にどのようなことをすればよいか。

この点については、厚労省HP、QAに記載があります。

以下抜粋(2024.11.22時点) です。

介護休業や仕事と介護の両立支援制度等の申出が円滑に行われるようにするため、
事業主は以下のいずれかの措置を講じなければなりません。
① 介護休業や仕事と介護の両立支援制度等に関する研修の実施
② 介護休業や仕事と介護の両立支援制度等に関する相談体制の整備等(相談窓口設置)
③ 自社の労働者の介護休業の取得事例や仕事と介護の両立支援制度等の利用事例の収集・提供
④ 自社の労働者へ介護休業制度と介護休業取得促進に関する方針の周知及び仕事と介護の両立支援制度等や仕事と介護の両立支援制度等の利用促進に関する方針の周知
なお、この場合、複数の措置を講ずることが望ましいです。

介護休業や介護両立支援制度等の申出が円滑に行われるようにするための、育児・介護休業法第 22 条第2項及び第4項に規定する雇用環境の整備等のうち、第1号の「研修の実施」については、
① 例えば、年度当初などにまとめて研修を実施してよいか。
② オンラインでの研修の実施も可能か。
③ 厚生労働省のホームページに掲載されている介護休業や介護両立支援制度等に関する資料の会社掲示板への掲載、配布でも雇用環境の整備を措置したものとして認められるか。

この点については、厚労省HP、QAに記載があります。

以下抜粋(2024.11.22時点) です。

① まとめて実施していただくことは差し支えありません。対象者については、その雇用する全ての労働者に対して研修を実施することが望ましいです。なお、少なくとも管理職の者については研修を受けたことのある状態にする必要があります。
② 動画によるオンライン研修とすることも可能ですが、事業主の責任において、受講管理を行うこと等により、労働者が研修を受講していることを担保することが必要です。
③ 研修とは、一般に「知識等を高めるために、ある期間特別に勉強をすること。また、そのために行われる講習のこと」を意味しますので、単に資料や動画の会社掲示板への掲載や配付のみでは、研修を実施したこととはなりません。

介護に直面している社員がおらず、また、採用する予定がない場合でも、雇用環境整備をする必要はありますか。

この点については、厚労省HP、QAに記載があります。

以下抜粋(2024.11.22時点) です。

介護休業や仕事と介護の両立支援制度等の対象となる家族には、直系の祖父母や配偶者の父母も含まれることから、幅広い年齢の労働者が介護休業申出や介護両立支援制度等の利用に係る申出を行う可能性があります。また、雇用環境の整備の措置を求めている育児・介護休業法第 22 条第2項及び第4項では、義務の対象となる事業主を限定していないことから、全ての事業主が雇用環境の整備をしていただく必要があります。

企業はどうすべきか。

Youtube動画をご視聴下さい。

注目すべき点:書式公表とQAの意味は大きい

書式や、QAが厚労省が公表されたため、企業としては、対応が容易になりました。

もっとも、こういった書式やQAは、適宜アップデートされますので、こまめに、厚労省HPをチェックすることが重要です。

動画解説

本記事について動画解説を希望される方は、下記YouTubeをご視聴下さい。

補足:参考情報

1、今後、新しい情報が入れば、アップデートしたいと思っています。

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