育児・介護休業法改正2025②【書式】育児編★2025年10月施行★弁護士がわかりやすく解説。企業の対応は?

目次

【注目の厚生労働省の書式】<令和6年11月22日>

弁護士田村裕一郎です。

今回は、厚生労働省が育児介護休業法に関して公表した書式<令和6年11月22日>を前提として、記事を書きました。2025年10月施行に関する記事です。テーマは、育児です。

★結論としては、上記書式をたたき台として、企業は、自社に即したルールを作るべき、というものです。

よりわかりやすい情報を取得したい方は、本記事のみならず、YouTube動画も、ご視聴下さい。

育児・介護休業法改正2025年の【書式とQA】育児編は?

厚労省HP

➡書式は、上記HPのうち、「育児・介護休業法のあらまし、育児・介護休業等に関する規則の規定例について」に掲載があります。2025年10月施行に関するものも、あります。

➡Q&Aも、上記HPに、あります。実務上の論点などが記載されています。

なお、以下は、育児・介護休業法改正2025②【書式】育児編★2025年10月施行についての記事ですが、全てを網羅していません。興味のある方は、関連記事やyoutube動画と合わせて、御一読及び御視聴下さい。

「柔軟な働き方を実現するための措置」とは、どういうものか?

3歳以上小学校就学前の子を養育する労働者が、柔軟な働き方を活用しながらフルタイムでも働ける措置も選べるようにするためのものです。

事業主が過半数労働組合等からの意見聴取の機会を設け、職場のニーズを把握した上で、

「始業時間等の変更」、

「テレワーク等」(10日以上/月、原則時間単位で利用可)、

「保育施設の設置運営等」

「労働者が就業しつつ子を養育することを容易にするための休暇(養育両立支援休暇)の付与」(10日以上/年、原則時間単位で取得可)、

「短時間勤務制度」

の中から2つ以上の制度を措置し、労働者はその中から1つ選択して利用することができます。

事業主が「柔軟な働き方を実現するための措置」を選択する場合に、過半数労働組合等から意見を聴取することとなっているが、「柔軟な働き方を実現するための措置」の施行日(令和7年 10 月1日)までに、過半数労働組合等の意見聴取を行う必要があるか?

この点については、厚労省HP、QAに記載があります。

以下抜粋(2024.11.22時点) です。

改正後の育児・介護休業法第 23 条の3第1項に基づき、事業主は、令和7年 10 月1日の施行日より「柔軟な働き方を実現するための措置」を講ずる義務が生じます。このため、施行日に当該措置が講じられるよう、施行より前に過半数労働組合がある場合は過半数労働組合、過半数労働組合がない場合は過半数代表の意見を聴く等の必要があります。

「テレワーク等」について、月に10日とされているが、3か月で30日にするなど、
1年に平均して月 10 日以上の仕組みにしてもよいか。

この点については、厚労省HP、QAに記載があります。

以下抜粋(2024.11.22時点) です。

:「テレワーク等」については、①1週間の所定労働日数が5日の労働者については、1か月につき 10 労働日以上とし、②1週間の所定労働日数が5日以外の労働者については、①の日数を基準としてその1週間の所定労働日数に応じた労働日とすることとされています。
「1か月につき」とされているため、例えば1週間の所定労働日数が5日の労働者が2か月以上の期間利用を行った場合、平均して「1か月につき 10 労働日」以上の設定が認められていれば差し支えありません。

「労働者が就業しつつ子を養育することを容易にするための休暇(養育両立支援休
暇)の付与」については、1年に 10 日以上の休暇の付与が定められているが、付与単位を半年につき5日、1か月につき1日等とし、トータルで1年に 10 日以上となるような休暇を付与する仕組みにしてもよいか。

この点については、厚労省HP、QAに記載があります。

以下抜粋(2024.11.22時点) です。

問題ありません。
「養育両立支援休暇の付与」については、1年につき 10 労働日以上の利用をすることができるものとすることとされています。「1年につき」とされているため、例えば、6か月で5日、1か月で1日のように、社内制度において1年以内の期間で配分を設定した場合であっても、1年単位でみたときに計 10 労働日以上の休暇が確保されていれば差し支えありません。
なお、1年につき 10 労働日に達しない制度になっている場合は認められません。

事業主が選択して措置する制度の中にある「保育施設の設置運営等」とは、具体的
にどのような内容か。また、「設置運営等」の「等」には何が含まれるか。

この点については、厚労省HP、QAに記載があります。

以下抜粋(2024.11.22時点) です。

「保育施設の設置運営等」は、「保育施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与」(改正後の育児・介護休業法施行規則第 75 条の4)であり、「その他これに準ずる便宜の供与」には、例えば事業主がベビーシッターを手配(※)し、かつ、当該ベビーシッターに係る費用を補助することが含まれます。これは、育児・介護休業法第 23 条第1項に規定する育児のための所定労働時間の短縮措置の代替措置の一つである「保育施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与」の取扱いと同様です。

※「手配」とは、ベビーシッター派遣会社と事業主が契約を締結して労働者からの希望に応じて当該会社に事業主が派遣の依頼を行うことのほか、ベビ-シッター派遣会社と事業主が契約し、労働者が直接当該会社に派遣の依頼をすることも含まれます。

「柔軟な働き方を実現するための措置」により選択された措置を利用している期間
に、所定外労働の制限(残業免除)を同時に請求することはできるか。

この点については、厚労省HP、QAに記載があります。

以下抜粋(2024.11.22時点) です。

同時に請求できます。
なお、現行制度でも、フレックスタイム制が適用されている場合も含め、3歳未満の子を養育する労働者は事業主に対し、所定労働時間の短縮措置(短時間勤務制度)の利用と所定外労働の制限(残業免除)の請求を同時に行うことは可能となっています(所定外労働の制限は、改正後は小学校就学前の子を養育する労働者が請求できます)。

「柔軟な働き方を実現するための措置」の個別の周知・意向確認について、事業主
は、いつ、どのような内容で、どのような方法により実施すればよいか。

この点については、厚労省HP、QAに記載があります。

以下抜粋(2024.11.22時点) です。

3歳以上小学校就学前の子を養育する労働者に対し、労働者の希望に応じてフルタイムで働くことができるよう、職場のニーズを把握した上で、「柔軟な働き方を実現するための措置」を2つ以上講じ、労働者が選択できるようにしなければなりません。その措置については、労働者の子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間(1歳 11 か月に達する日の翌々日から起算して1年間(2歳 11 か月に達する日の翌日まで))に、
・ 「柔軟な働き方を実現するための措置」の内容
・ 「柔軟な働き方を実現するための措置」の内容の申出先
・ 所定外労働の制限に関する制度、時間外労働の制限に関する制度及び深夜業の制限
に関する制度
について、当該労働者に対して個別に周知するとともに意向確認を行う必要があります。

また、個別の周知及び意向確認の方法は、
① 面談
② 書面の交付
③ FAX の送信
④ 電子メール等の送信
のいずれかによって行う必要があります。ただし、③、④は労働者が希望した場合のみ実施可能です。
また、①については、オンラインによる面談でも差し支えありません。労働者の子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間に実施されていれば、定期的に行っている人事面談等とあわせて実施いただくことも可能です。④の電子メール等による場合は、労働者が電子メール等の記録を出力することにより書面を作成できるものに限ります。

妊娠・出産等の申出時や子が3歳になる前に、(「育児休業制度等」・「柔軟な働き方
を実現するための措置」に係る個別の周知・意向確認とは別に)労働者の仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取と配慮が事業主に義務づけられるが、具体的に、事業主は、どのようなことをすればよいか。

この点については、厚労省HP、QAに記載があります。

以下抜粋(2024.11.22時点) です。

労働者から、妊娠・出産等の申出があった場合や労働者の子が3歳になる前に、当該労働者に対して、勤務時間帯や勤務地、両立支援制度の利用期間の希望等の個別の意向を聴取し、その事情等に配慮する必要があります。

「個別の意向聴取」とは、事業主が、労働者が妊娠・出産等を申し出たときや、子が3歳になるまでの適切な時期に、労働者の意向を個別に聴取するもので、Q2-19 にある「柔軟な働き方を実現するための措置」の「個別の周知や意向確認」と一緒のタイミングで行っていただくことも可能です。
その方法としては、
① 面談
② 書面の交付
③ FAX の送信
④ 電子メール等の送信
のいずれかによって行う必要があります。ただし、③、④は労働者が希望した場合のみ実施可能です。
また、①については、オンラインによる面談でも差し支えありません。④の電子メール等による場合は、労働者が電子メール等の記録を出力することにより書面を作成できるものに限ります。
聴取内容としては、①始業及び終業の時刻等の勤務時間帯、②勤務地(就業の場所)、③両立支援制度の利用期間、④仕事と育児の両立の支障となる事情の改善に資する就業の条件として何か希望がないかを確認することとなります。

「配慮」とは、事業主が意向の聴取をした労働者の就業条件を定めるに当たり、聴取した意向も踏まえつつ、自社の状況に応じて「配慮しなければならない」こととされたものです。
聴取した意向への配慮としては、事業主として意向の内容を踏まえた検討を行うことは必要ですが、その結果、何らかの措置を行うか否かは事業主が自社の状況に応じて決定していただくこととなります。なお、検討の結果労働者から聴取した意向に沿った対応が困難な場合には、困難な理由を労働者に説明するなどの丁寧な対応を行うことが重要です。
具体的な配慮の取組例としては、勤務時間帯・勤務地にかかる調整、業務量の調整、両立支援制度等の利用期間等の見直し、労働条件の見直しなどが考えられますので、自社の状況に応じて、その意向に可能な範囲でご配慮いただくようにお願いします。
加えて、事業主が個別の意向に配慮するに当たり、望ましい対応としては、
・ 労働者の子に障害がある場合や、医療的ケアを必要とする場合などであって、労働者が希望するときには、短時間勤務制度や子の看護等休暇制度等の利用可能期間を延長すること、
・ ひとり親家庭の場合であって労働者が希望するときには、子の看護等休暇制度等の付与日数に配慮すること
などが考えられます。

企業はどうすべきか。

Youtube動画をご視聴下さい。

注目すべき点:書式公表とQAの意味は大きい

書式や、QAが厚労省が公表されたため、企業としては、対応が容易になりました。

もっとも、こういった書式やQAは、適宜アップデートされますので、こまめに、厚労省HPをチェックすることが重要です。

動画解説

本記事について動画解説を希望される方は、下記YouTubeをご視聴下さい。

補足:参考情報

1、今後、新しい情報が入れば、アップデートしたいと思っています。

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